部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

序盤は、入れて入れられての、
シーソー・ゲームを、繰り広げていた。

しかし、さすがは、全国へ来るチーム、
ミスは、見逃さない。

一つミスする度、点差が、開いて行った。

甲陽も、ミスに付け込んで得点をするが、
相手の方が、ミスは、少なかった。


中盤で三田は、ゲームを見ながら、


  「よし、メンバー・チェンジだ。
   モモ、来いっ」


しかし、なかなか、桃子は来なかった。


  「おいっ、モモ、早く来いっ」


すると、スコアをつけていた梨沙が、


  「コーチ、モモなら、
   試合に、出てますよ」


そう言われて、三田がコートを見ると、
桃子が、三田の前を、走って行った。


  「えっ。あっ、そうか。
   じゃ、じゃあ、ユリ、交代だ」


友理がオフィシャルに、交代を告げに行くと
三田は、大きく息をした。


  「フゥー」


梨沙が、笑いながら、


  「コーチ、しっかりしてくださいよ」


と言うと、


  「おお、すまんな。

   偉そうなこと言って、俺が一番、
   緊張していたのかもしれないな」


そう言って三田は、姿勢を正した。


  「もう、大丈夫だ」

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