部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
そんな薄い友理の反応にも、怯むことなく、
「まあお前も、もう少し、オレんトコ
おったら、もっとええ選手に
なったろうに、なぁ」
友理はこれ以上、このコーチの、
勝手な話を聞く気には、ならなかった。
しかし、そんなこと、お構いなしに、
コーチは、話を続けた。
「お前の基礎は、
オレが作ってやったんやからな。
それがあっての、今なんやから、
忘れんなよ」
コーチは以前、自分が、
友理を邪険にしたことなどすっかり忘れ、
自分の指導を、美化していた。
友理はもう、早く切り上げて、
ここを離れたいと思った。
「じゃあ、試合、ありますから」
「おっ、お、そうか。またな」
友理は、軽く会釈をして
佐紀達の所へ戻った。
佐紀「誰?」
友理「神戸の、中学の時のコーチ」
梨沙「自分の事ばっかじゃん」
雅美「ホント、何様?って感じだよね」
友理「三田コーチの、足元にも
及ばんわ」
梨沙「ホンマ、ホンマ」(友理のマネ)
佐紀は、友理の背中に手を添えて、
佐紀「さっ、今日の試合も、ガンバろっ」
友理「うん」
しかし友理は、コーチと会ったことで、
神戸の中学時代を思い出し、
暗い気持ちになっていた。