部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

するとまた、後ろから遠慮気味な声がした。


  「佐紀ぃー!」


振り向くと、千奈が立っていた。


  「千奈ぁぁぁぁー」


全員が、千奈の周りに走って行く。

みんなで、千奈の手を取り、肩を組み、
ピョンピョン飛び跳ねた。


千奈「昨日、観てたよ。
   みんな凄いじゃん」


佐紀「ありがと~ぅ。千奈のトコロは?」


千奈「ううん。私の高校は、
   そんな強いトコじゃないから。
   県の3回戦で、負けちゃった」


友理「ほな、見に来てくれたんや」


千奈「そりゃ、来るでしょ」


佐紀「昨日、来てくれればよかったのに」


千奈「ゴメン、
   昨日はちょっと、怖かったんだ」


佐紀「怖かった?」


千奈「もう、私のことなんか、みんな、
   忘れてるんじゃないかって」


雅美「何言ってんの。
   忘れるワケ、ないじゃない!」


千奈の目が、涙で、一杯になる。


千奈「ありがとう」

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