部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

桃華は、プレス・チームを諦め、
ゾーン・チームを、出して来た。

試合は再び、一進一退の、攻防が続く。


ベンチでは、梨沙がスコアを付けながら、

  「あっ、また入れられた」


と、独り言を言っていた。

三田は、

  「今は、我慢比べだ。
   入れられてもいい。

   とにかく、付いて行く事が大事だ」


  「そうですね」


三田は、何度か、メンバー・チェンジをして
皆を休ませようとした。

しかし、7人で回していたのでは、
それ程の休息には、ならなかった。

もう、2年生を出すことは、出来なかった。

三田は、それがきっかけとなって、
ブレイクされることを、恐れたのだった。

両チームのコーチとも、
今は、持久戦と、考えていた。



歩美が、3ポイントを打つ、成功。

甲陽ベンチから、歓声が上がる。

桃華がボールを取り、
スローインしようとすると
オフィシャルのブザーが鳴った。



審判が、笛を吹く。

  「クォーター・タイム」


甲陽、1点の、リード。

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