部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
フリースローになると、友理は膝に手を付き
深く、頭を落としていた。
ベンチで梨沙が、
「コーチ、ユリ、4つめです。
それと、ユリ、
ちょっと、ヤバいみたいですよ」
「そうだな」
審判が、声をかける。
「ツー・ショット」
ここで三田に、迷いが生じた。
“後30秒余り、
友理が持つだろうか”
1投目、成功。
同点。
桃華ベンチから、歓声が上がる。
“ここで友理を替えて、プレスに、
対抗できるだろうか”
審判が、声をかける。
「ワン・ショット」
“もし、ここで逆転されたら、
何としても、
ゴールを決めなければならない。
そのためにも、友理のリバウンドは
必要だ”
2投目、成功。
桃華、逆転。
桃華ベンチから、さらに大きな歓声が上がる
三田が迷っている間に、ゲームは再開された
三田は、タイムアウトを取って、
友理を休ませることも考えたが、
今の流れを、切りたくはなかった。
“仕方ない。
ユリには、頑張ってもらうしかない”