部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
ボールは、きれいな弧を描いて、
ゴールに吸い込まれて行った。
“シュパッ”
ゴール・ネットが、大きく揺れた。
静かな体育館に、その音だけが、響いた。
皆が、その音を聞いたような気がした。
そして、それは、このゲームの、
決着を告げる、音でもあった。
沈黙を破るように、審判の笛が鳴る。
「カウント! タイム・アップ」
桃華のベンチから、歓声が上がる。
桃華のコーチが、
大きく、ガッツ・ポーズをした。
それを聞いた佐紀の頬を、一筋、涙が伝った
「終わった」
佐紀は、そう、つぶやいた。
それは、負けた悔しさではなく、
終わった寂しさによるものだった。
ふと横を見ると、華子の頬にも、
何か、光るものがあった。