部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
………(6) 永遠の仲間
佐紀達が、アリーナから出てくると、
千奈が、待っていた。
「いやぁ~、みんな、よく頑張った!
お疲れ、お疲れ。
メッチャいい試合だったよ」
「ゴメン。
せっかく、応援してくれたのに」
「何、言ってんの。
ここに来たことだけでも、凄いのに、
一つ、勝ってるんだよ。
もっと、凄いことじゃん」
そう言って千奈は、
佐紀の背中を、ポンポンと叩いた。
雅美達も、口々に、
「千奈も、応援、ご苦労さん」
「いいねぇ、千奈の声。
一杯、元気、もらったよ」
「やっぱ、千奈の声がなくちゃね」
と言うと、千奈は、
「やっぱ、甲陽のバスケは、いいねえ。
みんなと一緒にバスケットした事は、
私の誇りなんだ。
いろんなことが、あったけど、
私、一生、忘れないよ」
すると、友理も、
「ウチも、一緒や。
このチーム、最高やもん」
佐紀たちと千奈は、
離れていた時間を埋めるかのように、
いろんな事を、話した。
佐紀達は、試合に負けたことなど、
もう、どうでもよくなっていた。
それより、千奈が、この輪の中に
いる事の方が、大事だった。
話は、いつまで経っても、
尽きる事が無いかのようだった。
亜紀が、皆を、呼びに来た。
「キャプテン、コーチが、集まれって」
「うん、わかった。
じゃあ、千奈、あとでねっ」
佐紀達は、千奈に手を振り、
三田の元に、向かった。