部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
友理は、背中を丸め、
腕を抱きかかえるようにして、座っていた。
「ユリ、もう大丈夫…………」
そう言って、友理を立たせようと、
肩に手を置いた佐紀は、
ハッとして、手を離した。
友理の体が、小刻みに震えている。
尋常ではない、友理の反応だった。
佐紀は、こんな友理を、初めて見た。
「ユリ、大丈夫?」
そう言って佐紀は、今度はしっかりと、
友理の腕に、手をかけた。
「さあ、立って」
佐紀は、友理を立たせると、
コート・サイドへ、連れて行った。
友理を、サイドに座らせると、
佐紀は、皆を集めた。
「集合!」
センターサークルで、円陣を組む。
友理の事は、気になるが、
これで、皆の気が散って、ケガをすることも
心配だった。
「集中力が、切れてるよ。
気合入れて、行こう。
イチ、ニッ、サン」
「ファイ」
練習が、再開された。