部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
しばらくして、友理を見ると、
落ち着いたのか、普通に座っていた。
そして、ゆっくり立ち上がると、
練習に、入って来た。
近くにいた華子が、声をかける。
「大丈夫ですの?」
「うん」
それからの友理は、
何事も無かったかのように、練習を続けた。
それからも皆は、代わる代わる、
友理に、声をかけて来た。
佐紀も、すれ違いざま、
友理のお尻を、ポンと叩いた。
次第に友理も、元気が戻って来たように、
見えた。
あれから坂井は、何も言わず、
練習を見ていた。
坂井にとっても、友理の反応は、意外だった
あんなことは、今まで、
経験したことが無かった。
友理の怯えた目が、まだ坂井の頭の中に、
残っている。
“あいつの中には、
何か、大きなトラウマが
あるのかもしれない”
それが何かは、わからなかったが、坂井は、
改めて、指導の難しさを感じていた。