部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
梨沙は華子の車で、病院に運ばれていった
佐紀も一緒に、ついて行った。
体育館では、もう、
練習のできる雰囲気ではなかった。
「これじゃあ、もう、練習は
出来ませんわね。
クールダウンして、終りましょうか」
友理はまだ、そのまま、茫然と座っていた。
「ユリ、終わりますわよ。
体操しましょう」
しかし友理には、聞こえていなかった。
華子はしゃがみこみ、友理の肩をゆすった。
「ユリ、ユリっ!」
ハッと、我に返る友理。
そして、顔を覆って、泣き出した。
「ウチ……、ウチ……
エラいコト……、してもうた……」
華子は、優しく、肩に手を置き、
「あなたのせいでは、ありませんわよ。
あれは、事故ですわ」
しかし友理には、聞こえていなかった。
「エラいコト……、してもうた……」
そう、泣きながら、繰り返すだけだった。
華子は、友理に手を貸して、立たせると、
「アユ、体操して、1年生は帰して。
私たちは、病院へ行きましょう」
「わかった」
後は歩美に任せて、華子は友理を連れて、
更衣室へ向かった。