部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
通路で、コーチの周りに集まる、佐紀達。
皆うなだれて、下を向いていた。
コーチの怒りは、佐紀に集中した。
「バカヤロー、
お前、キャプテンだろうが。
お前が全てを、ブチ壊したんだぞ。
甲陽が、県大会へ行けないなんて、
前代未聞だ」
「すみません」
佐紀は下を向いて、小さな声で、答えた。
しかし、コーチの怒りは、治まらなかった。
「あれだけミスすりゃ、
勝てっこないだろっ。
キャプテンが率先して、
相手に、点ばかり、やりやがって。
勝つ気がないのなら、
キャプテンなんか、辞めちまえ」
佐紀は、唇を噛んだ。
そして、坂井は、遂に、
「こんなチームは、知らん。
俺は、もう、コーチを辞める」
全員、驚いて、顔を上げた。
「サキといい、ユリといい、
もう、お前たちの面倒は、見きれん。
お前らで、勝手にやれ。
俺は、辞める」
そう言って、帰って行った。
顧問の、荒井先生が、オロオロして、
「ちょっと、どうするの?
どうするの?」
そう言って、コーチの去った方と皆を、
何度も見た。
そして、コーチの後を追って、走って行った