部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
次の日の朝。
佐紀が登校して、校門に差し掛かると、
車が止まった。
車から、華子たちと松葉杖の梨沙が、
下りてきた。
「おっはよー」
「おっはー」
「おはよう」
皆が、校門を入った時、後ろから声がした
「おはようさん」
誰だろう? と、振り返ると、
ジャージ姿の友理が、佐紀たちの後ろを、
走り抜けた。
「えっ、ユリっ?」
「ようやく、やる気になった
みたいですわね」
その友理の後姿を、梨沙は、
嬉しそうに見ていた。
制服に着替えた友理が、教室に入って来て
席に着くと、佐紀と華子がやって来た。
「今朝は、驚きましたわ」
「やる気に、なったんだ」
「うん。せやけど、
長いコト休んどったから、
走らなアカンと思ぅて。
リサとも、約束したし」
「リサ、喜んでたよ」
「リサのために、走らな。
それがウチの、罪滅ぼしやから」
「あれは、ユリのせいじゃ、
ありませんわよ」
「そうだよ。あれは、たまたまの、
事故なんだから。
気にしちゃ、ダメだよ」
「うん、でもあれで、リサがバスケ、
出来へんようになったのは、
事実やし」
「まあ、ユリがそれで気が済むのなら、
いいんじゃありませんこと?」
「そうだね。一緒に、頑張ろうね」
「うん」
チャイムが鳴り、2人とも、自分の席に、
戻って行った。