部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
練習が終わっての帰り道、今日の話題は、
友理の早朝ランニングの事だった。
「最初は、信じられなかったんだ。
あのユリが、自分から走るなんてね」
「そんなこと、ないわ。
ウチかて、やる時は、やるんやから」
「まっ、ようやく、自覚が出来た、
ということでしょうね」
「“ようやく”って、
どういうことやのん?」
佐紀が、嬉しそうに、
「じゃあ、明日から私も、走ろうかな」
「それ、あかんわ。
宿題かて、ようけあんのに。
サキの成績が下がったら、
ウチのせいに、なるやん」
「大丈夫だよ」
「それに、今までの遅れを、
取り戻すために、走ってんやから、
ウチ一人だけで、ええわ」
「そう? うーん、わかった」
佐紀は、少し、残念そうだった。