部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
** コーチ 三 田
………(1) 要 請
それから、数日が経ったある日。
佐紀達が、体育館で、練習していると、
入り口に、三田が現れた。
「えっ、コーチ」
佐紀が、三田に気づき、走って行く。
「こんにちはー」
「おっ」
「今日は、どうしたんですか?」
「ちょっと、みんなを、
集めてくれるかな」
「はいっ、集合―」
皆が、三田の元に集まった。
雅美が、
「コーチ、どうしたんですか?」
三田は、険しい顔になって、
「坂井さんから、君たちを見てやれと、
言われてな」
「えっ、じゃあ、坂井コーチは?」
「君達には、ほとほと愛想が尽きたから
もう、見たくないそうだ」
佐紀が、悲しそうに、
「そうですか」
「新人戦、ボロボロだったそうだな」
「はい、私が、悪いんです」
「そんな事ないよ。私だって」
三田は、深刻な顔をして、
「前代未聞のチームらしいな。
もう、めんどう見切れんから、
好きにしていいと、言われたぞ」
佐紀は、もう、泣きそうな顔で、
「すみません」
「まあ、いい。
過ぎた事は、言ったって、
仕方ないからな。
コーチがいないのも何だから、
後を、俺が、見る事にする。
まっ、しばらくは、坂井さんの練習で
行ってくれ」
「はい、わかりました」
三田は、そう言うと、帰って行った。