部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
坂井は、何かを思い出し、ニヤリとした。
「あいつらは、面白いチームでな。
まっ、元から、仲のいいヤツらだが、
サキをいじめれば、いじめるほど、
結束が強くなって行くんだ」
「あっ、それ。私も、感じていました」
「あのソノが、我が道をゆく御園が、
サキの言う事だけは、
なぜか、聞くんだ。
ありゃ、きっとあいつには、
そうさせる何かを、
持ってるんだろうな」
「そうですね。私も、そう思います」
「そのサキがな、何度も、来るんだ。
“コーチ、お願いします”ってな。
あいつは、ホントに、
諦める事を知らん奴だな」
「ハハハ、それがサキの、
いい所ですからね」
「来るたび、突き放すんだが、
ワシも、それが辛くてな」
坂井は、苦悩の表情になった。
それを見た三田は、断る理由もないので、
「わかりました。あいつらのコーチを
引き受ける事にします」
「すまんな。こっちの都合で、
無理を頼んでしまって」
「いえ、あいつらは、中学の時教えて、
大体の事は、わかっていますから」