部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
梨沙が、帰って来た。
三田の所へ行くと、
「コーチ、水曜日、OKです」
「そうか、わかった」
梨沙は、笛とストップ・ウオッチを手に、
練習に入って行った。
練習が終わると、三田は、皆を集めた。
「よし、水曜日が取れたから、
水曜は、バスケットのレクチャーだ。
この日は、練習を、休みにする」
“休み”と聞いて、友理は嬉しそうだった。
梨沙は、それを見逃さなかった。
「おっ、ユリ、嬉しそうじゃん」
「そんなこと、ないわ。
練習が出来んで、残念やな」
「じゃあ、ユリだけ、走ったら?」
「それは、遠慮しとくわ」
歩美が、
「三田コーチになって、よかったぁ。
坂井コーチは、サキは、いじめるし、
文句は言うし、怒鳴るし……」
それを聞いた三田は、
「そんなことは、ないぞ。
いいコーチだと、思うがな。
このメニューだって、
多少、手は加えたが、ほとんど、
坂井さんが、考えたものだ。
これを、見てみろ」
三田は、坂井からもらったノートを、
パラパラと、めくって見せた。
たくさんの、コートの絵を見て、
「スゲー」
「お前たち、一人一人を見て、
それに合ったシステムを考えている。
この、最初のページに、
それが、書いてある。
サキ、読んでやれ」