部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
佐紀も一目見て、マズイと思い、
自分の友理の印象を言ったのだった。
それを聞いて三田は、やはり佐紀は、
人の痛みがわかる奴だなと、思った。
佐紀は次々と、坂井の書いた皆の印象を、
読み上げて行った。
途中からは、誰も何も、言わなくなった。
全員の分を読み終わっても、しばらくは、
誰も、言葉を発しなかった。
三田が、
「どうだ、いいコーチじゃないか。
文句なんかいってたら、
バチが当たるぞ」
すると、歩美が、ノートに向かって、
「どうも、すみませんでした」
そう言うと、全員が、頭を下げた。
佐紀が、ページをめくると、
「あっ、リサのも、あるよ」
「あー、よかった。
見捨てられてるかと、思ったじゃん」
「菅谷梨沙。
直線的、突破力あり。
一度止まると、次、
どこへ行くかわからない。
キャッチ・ミス、多し」
首をすくめ、頭を掻く、梨沙。
「チナも、あるよ。
徳永千奈。
元気キャラ。
細かい事は気にしない。
自分なりのルールあり」
それを聞いて、皆、
千奈の笑顔を、思い出していた。