部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
………(2) 告 白
坂井コーチの、練習に出てくる日は、
去年のこの時期に比べて、格段に多かった。
そして、学期末試験も終わり、
学校は、夏休みに入った。
今日は、男子が午前で、
女子は、午後からの練習だった。
佐紀は、自主練しようと、
少し早めに、出て来た。
まだ、誰も、来ていない。
体育館に入ろうとすると、
誰かに、呼び止められた。
「佐紀っ!」
振り返ると、祐太だった。
「あれっ、男子はもう、
終わったんじゃないの?」
「ちょっと、話しが、あるんだ」
「何?」
佐紀は、祐太の方へ、歩いて行こうとすると
「ストップ。そこでいい」
「何?」
祐太は、モジモジしていて、
なかなか、話さなかった。
「何なの? 何もないんだったら、
自主練したいから、行くよ」
すると祐太は、
「付き合ってほしいんだ」
「どこへ?」
「いや、そうじゃなくて」
祐太は、大きく息を吸うと、声を張り上げた
「俺と、付き合ってください」
佐紀は驚いて、周りを、見回した。
街中の人に聞かれたんじゃないかと思う程の
大きな声だった。