部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

茫然とした祐太は、それしか、言えなかった

祐太はもう一度、同じ質問を、繰り返した。


  「どうして?」


  「私たち、来年は、受験生じゃない?
   バスケットも、最後の大会が近いし。

   このままじゃ、どちらも中途半端に、
   なってしまうと思う」


  「そんなこと、ないだろう?」


佐紀は、祐太の言葉は無視して、話を続けた


  「この前、先生と話してるの、
   聞いたんだ。
   祐太、成績が、下がってるって」


  「そんなの、大丈夫だよ」


  「ううん。祐太だって、夢があるでしょ
   その邪魔になっちゃ、ダメだと思う。

   別に、別れようって訳じゃ
   ないんだから。
   ただ、しばらく時間を……」


祐太は、自分の言葉を無視して、一方的に
言われることに、腹が立ってきた。


  「何でなんだよ。
   こっち向いて、ちゃんと話せよ」


責めるような口調で言うと、
佐紀が、顔を上げた。

佐紀の目は、涙で潤んでいた。

それを見ると、祐太はもう、
それ以上何も、言えなくなった。

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