部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
少しして、
「いつまでなんだよ。
しばらくって、いつまでなんだよ」
祐太は、言葉を絞り出した。
佐紀はまた、下を向いて、
「最後の大会が、終わって、
大学受験が終わって……」
「俺が、他の子を好きになってたら?」
「仕方ないよ。祐太が、その方が
いいって、言うのなら」
「そんなんで……」
祐太が言いかけると、
「じゃあ……」
そう言って、佐紀は、背中を向けた。
祐太は、走って行き、
佐紀を後ろから、抱きしめた。
「何で?、何でだよぉ」
祐太の悲痛な声に、佐紀の決意も揺らいだ。
このままでいられるなら、
どんなにいい事だろう
しかし、心の奥で“今はその時ではない”
という声がしていた。
佐紀は、力を込めて、祐太の手を解き、
「ごめん」
小さく言って、小走りに行き、角を曲がった。