部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

梨沙は、佐紀の頭をポンポンと叩きながら、


  「全部、吐き出しちゃいなよ。
   今日は、泣いてもいいから、
   明日は、立ち直ろうじゃん。

   サキ、キャプテンなんだから」


  「うん」


友理は、感心して、


  「さすが、リサやな。

   ウチ、えろうサキ、
   サバサバしてんなって、思てたわ」


  「何年、一緒にいると、思ってんの。
   サキの事は、何でも、お見通しよ」


  「ウチはまだまだ、修業が足らんわぁ」


佐紀は、梨沙に寄りかかり、
泣きじゃくりながら、歩いて行った。

その横を歩いていた、友理の声がした。


  「ええなあ。ウチも、こんな恋、
   してみたいわぁ」


すると梨沙が、


  「ユリが倒れてきたら、
   私、逃げるからね」


  「えー、そんなぁー。
   ウチもちゃんと、受け止めてやぁ~」


そんな友理の言葉に、
佐紀の、泣き声とも笑い声ともつかない声が
聞こえてきた。

梨沙は、

  「キスは、したの?」


と訊くと、佐紀は、小さく首を横に振った。


  「残念だったね」


コクリと、うなずく佐紀。

横で、友理が、呆れ顔で、


  「ふつう、そこまで、訊くかぁ」

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