部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

次の日佐紀は、何事も無かったかのように、
練習をしていた。

しかし時々、フッと、
窓の外を眺める姿が見られた。

完全に割り切った訳ではないが、別に佐紀は
祐太の事を思い出しているのではなかった。

何か、懐かしさにも似た気持ちが、
気を抜いた時に、湧き上がってくるのだった

それは、祐太と一緒にいた時の、
楽しい気持ちに、似ていた。


そんな佐紀を見つけると、梨沙は、笛を吹き


  「サキッ!、次、行くよ」


そう言って、佐紀を引き戻した。

事情を知っているのは梨沙と友理だけなので、
皆には、マネージャーが、次の練習を、
指示しているようにしか、見えなかった。


しかし、華子だけは、普段とは違う佐紀を、
感じていた。

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