部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
………(5) 三者面談
水曜日、放課後の会議室。
今日は、講義の日である。
皆が座っている机の上には、数枚の、
コートの絵がコピーされたものが、
置かれていた。
三田が、ホワイト・ボードの前に立ち、
講義を始める。
「今まで、ツー・ワン・ツー・ゾーンを
練習してきたが、これを、
いろんな方面に、展開する」
三田は、ホワイト・ボードに、
コートの絵を描いた。
「ここからは、頭の柔軟さが、
必要となる。
イメージを、膨らませろよ。
まずは、センターラインで展開する」
そう言って、センター・サークルを、
フリースロー・サークルに見立てて、
制限区域を、描き込んだ。
それから、5人の位置を描いた。
「どうだ、わかるか?」
そう言いながら三田は、描いた制限区域を
消した。
「実際のコートには、ここは、
何も描かれていないが、頭の中に、
この、制限区域を、描くんだ。
どうだ? イメージ、出来るか?」
三田が、皆を見回すと、
自信なさげな、皆の視線が、返って来た。