部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

友理は、お母さんと教室に入り、
担任の荒木先生の前に、座った。

先生はまず、本人の希望を訊いた。


  「さてと、友理さん、
   あなたは、どうしたいの」


友理は、即答した。


  「私は、就職します」


それを聞いた母は、思わず立ち上がり、


  「あんた、まだ、そんな事言うてんの。
   この前、あれだけ、言うたやん」


  「まあまあ、お母さん、落ち着いて」


そう言って先生は、座るよう、促した。


  「あなたの成績なら、
   結構、いい大学にも、行けるわよ」


  「いえ、私は……」


すると母は、再び立ち上がり、


  「あんたが、全くのアホで、
   大学なんか、行かれへんのんやったら
   ウチも、諦めるわ。

   せやけど、せやけど……」


  「お母さん、落ち着いて、落ち着いて。
   さっ、座ってください」


母は、椅子に座ると、


  「すみません。せやけど、
   行ける頭を持ってんのなら、行かな。

   こんな、いらん心配を掛けさせる、
   自分が、ホンマ、情けない」


最後の方は、涙声になっていた。

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