部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

合宿初日は、大学生も、
シーズン・オフ明けという事もあって、
それ程、キツくもなく、無難に過ぎた。


旅館までは、歩いて帰る事になった。

友理が、笑顔で、

  「あー、しんどかった。
   でも、こんくらいやったら、
   楽勝やな」


  「何、言ってんの。
   こんなんで済むわけ、ないでしょ?」


  「まだ、初日てすからね」


前を歩いていた、マネージャーの久美子が、
やって来て、


  「2部屋、取ってあるから、
   適当に使って。

   それと、明日からの予定だけど、
   あの体育館で、9時と2時からと、
   中学校の体育館で、7時半からと、
   練習するから」


  「はい、わかりました」


友理はと見ると、“やっぱり”と、
肩を落としていた。


  「夜の練習は、シュート練習だから、
   そんなに、キツくは、ないわよ」


しかし、その言葉も、友理を元気づけるには
至らなかった。

皆の所に返ろうとした久美子が、
思い出したように、振り返り、


  「それと、午前と午後の練習の時は、
   旅館から体育館まで、
   走って行くからね」


  「えっ、走るんですか?」


思わず、友理が、口走ってしまった。

久美子は友理を見て、ニコッとして、


  「何処も、センターは、同じね。

   ウチのセンターも、
   同じ事、言ってたわよ」


  「すみません、頑張ります」


  「じゃあ、明日から、頑張ろうネ」


  「はいっ」


友理以外、元気な声で、答えた。

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