一期一会 ~今この時は一度きり~
でも、こんな感覚は初めてだった。




それは卓哉を、“独占したい”という感情だった。






「卓哉‥‥‥、今、何処で誰と何を、してるんだろう‥‥‥‥。」



最近の口癖はこれ。



あたしは常に卓哉のコトを考えていた。








そんなある日。





今日は友達の美緒とカラオケに行く日だった。




「カラオケとか超久しぶりだしぃ!」


隣で美緒がはしゃぐ。



「そだね!最近お互いに忙しかったからね。」


「本当だよ~!‥‥‥あっ、ねぇヒカリ!あれ見て!!」


「ん~?何?」




その先には、何人かの男達が一人の男の人を殴っていた。




「あっ、ちょっ、ヒカリ!?何処行くのっ!?」


あたしは美緒のことは忘れて、夢中で走り出していた。






なぜなら、殴られていた男の人は“卓哉”だったから‥‥。







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