一期一会 ~今この時は一度きり~
「卓哉っ‥‥!!」
「よぉ、この前の姉ちゃんじゃねーか。」
卓哉を殴っていた奴があたしに近付いてきた。
「卓哉を離してっ!」
「そんなわけにはいかねぇんだよなぁ。はっはっはっは!!!」
「あなた達は何のためにこんなことを‥‥。」
「お前‥に‥は‥‥関係ねぇ‥‥。」
卓哉が苦しそうにあたしに言ってきた。
「関係ないって‥‥。ヒドいよ‥。あたしはこんなにも卓哉のことが心配なのに‥‥‥‥。」
「ヒカリ、この人達とどういう関係なの!?」
美緒が追いついていて、このまわりの状況を理解しようと質問してきた。
「美緒‥‥、やっぱり何でもなかった。カラオケ行こっか!」
「えぇ!?ちょっと、ヒカリ!!!」
あたしはこの時、もう卓哉のことなんかどうでもいいと思っていた。
あんなことにはなるとは知らずに‥‥‥‥。