僕等は野良猫



「文句は後からだ。行くぞ」



庵は比奈の後ろを


歩き始めた



「浬音、大丈夫か?」


「うん、大丈夫。庵は?」


「大丈夫だよ。それより…」



庵は僕を


ぎゅっと抱きしめながら



「ありがとな」



と呟いた



「お前等な、さっさと歩けよ」


「「ごめん」」



僕等は


黙って歩き続けた


ただひたすら


歩き続けた
< 104 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop