僕等は野良猫












僕には


どこを走っているのか


わからないけど


誰も僕等を


追ってきてないのが


わかる



「ハァ…ハァ‥。りお、ん。苦しくっないか?」


「大丈夫だよ」



庵は


少しだけ笑うと


走るスピードをあげた





どれだけ走ったか


わからないけど


目的地についたみたいだ



カランカラン


扉を開く

そんな音がした



「いらっしゃ‥って、庵ちゃん?」


「ハァ‥、ハァ……お久しぶり、です。アスカさん」


「どーしたの?息切らして」


「訳あり、です」



アスカさんという


女の人は


奥の扉を開けた



「奥にいなさい。他に誰か来る?」


「比奈が来ます」


「比奈ちゃんが?‥わかったわ、来たら連れてくるから。隠れてなさいよ」



庵は


頭を下げると


奥の部屋に向かった


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