僕等は野良猫
白で統一された部屋
微かに
薬品のような匂いがする
「浬音?どうした?耳が垂れてるけど‥」
「‥薬品の、匂いがする…」
「あーー…、動物は好きな匂いじゃないよな」
庵は
クスクス笑いながら
近くのソファーに
座った
「……比奈‥」
庵は
遠い瞳をしながら
囁いた
「比奈なら大丈夫だと思うよ」
「‥浬音」
「大丈夫だから、僕等を逃がしてくれたんだ………例え‥、命の保証がなくても」
そう、
例えそこで
力尽きたとしても
比奈は
後悔しない
だから…
「僕等は、信じて待たなきゃダメだよ…庵」