僕等は野良猫




「…あぁ‥。そうだな、浬音」



庵は


少しだけ


微笑んだ



「ねぇ、庵。ここって‥本当にカフェ?」


「あぁ。さっきの女の人はアスカさんっていうんだ。ここのマスターで、一応……医師免許を持ってる人」


「…凄いね。知り合い?」


「情報屋の時に、色々と」



庵は


唇に人差し指を当てた



『これ以上は秘密』


そんな感じだ



「比奈も…知り合い?」


「比奈とは昔からのつき合い、みたいだよ。アスカさんが言ってた」


「そうなんだ」



庵は


ゆっくりと


僕の頭を撫でる




どうか…


比奈が早く来ますように‥



そんな想いを


心で願った





< 109 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop