僕等は野良猫
「…ずっと気になってたんだが………その黒猫は‥」
「あぁ、音っていうんですよ。真っ黒な毛並みでかわええでしょ?」
「そうだね、音君?音ちゃん?」
「メスですよー」
「そうか、音ちゃんか。可愛いね」
だいクンは
優しく撫でてくれた
その手は‥
僕が知ってるだいクンの
優しい手だった
「にゃーっ」
「んー?喜んでくれてるのかな?」
「猫に好かれるタイプなんですねぇ」
「ふふ、意外かな?」
だいクンが
猫に好かれるタイプとは
初耳だ‥
「昔はね、犬の方が好きだったんだ。言うこと聞くし、散歩もいけるからね」
「あー、それ分かりますわ」
「でも……この歳になると、猫が楽でいいね。散歩しなくていいから」
「ははっ、矛盾してますねぇ」
柏の言葉に
だいクンはクスッと
笑った
「歳はとりたくないね」
「いやいやぁ、まだまだお若いじゃないですかぁ~」
だいクンは
なんだか恥ずかしそうにしていた