僕等は野良猫
次の日
今日はなんだか
いつもより
慌ただしかった
「庵」
「…比奈」
昨日はいなかった
比奈が
煙草を吸いながら
庵の側に来た
「いよいよだぜ」
「…あぁ」
「アスカさんに昨日、聞いたんだろ?まぁ、アスカさんが言った事に間違いはない」
どうやら‥
昨日いなかった比奈だけど
庵が聞いたこと
全てを知っているようだ…
「…ただ、忘れるなよ庵。どんなに許している奴がいても………、全員ではない」
「…」
比奈は
ジッと庵をみていた
「言わなければならないこと、それだけはちゃんと言えよ。バカ庵」
ガシガシっと
庵の頭を撫でて
比奈は柏のところに
向かっていった
「…庵」
「…」
「比奈なりの、『頑張れ』だよ」
「…だな‥」
庵は
涙をためながら
小さく笑った