僕等は野良猫
『……何故お前等は実らぬ恋などをする…』
ゼロ様は
小さな声で呟く
『…実らぬ恋など……‥何がいいんだ』
『‥ゼロ?』
『なぁ、元人間。実らぬと分かっていて…‥何故、恋をする』
ゼロ様は
揺るがない瞳を
真っ直ぐ僕に向ける
「…愛しているから…‥。ただその人を…愛しているからです」
『……「愛」か』
「…どんなに叶わなくても…‥‥『いつか』を信じて、想い続けるんです。それが…‥人間です」
ゼロ様は
また小さく呟いていた
『‥面倒な生き物だな。ホント嫌いだよ、人間など』