僕等は野良猫
「おーとー」
屋根づたいに
走っていると、
聞き覚えのある声が
耳に入った
立ち止まり、
声のする方を向く
「あっ、カラスさん!」
声の正体は
この辺りを住みかにしている
カラスさんだ
「やっほー。なんか忙しそうだね」
「うん。今日が最終決戦だよ」
僕がそう言うと
カラスさんが
バサバサと
近づいてきた
「そーか、そーか」
「うん」
「応援に行くよー、仲間いっぱい連れてく」
カラスさんは
バッサバッサと
羽をはためかせた