僕等は野良猫




柏は


雫さんの声に


苦笑いしながら


僕を庵に差し出した



「な、なんやよう分からんくなってきたわ‥‥」


「え…っと……」


「まぁ……庵が音にどんな感情があるか分からんけど………音は、猫だからな?」



柏はそう言うと


庵の頭を


ポンポンと叩いた



僕が庵を見ると


庵の顔は


真っ赤だった



「あ、庵‥?」



僕は庵にしか聞こえないくらい


小さな声で


庵を呼んだ




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