僕等は野良猫






庵は僕を


壁際に寝かせる



「…待ってろよ」



庵はそう言うと


走っていった



僕は小さく


呟いた



「…………まだ……僕は‥何もできて‥ない……」



僕はゆっくりと


目を閉じた



頭に響く


闘いの音



鼻に纏わりつく


血の臭い



「………」



音にならない僕の声



もっと……もっと…強く‥



「……に‥ゃあ……」



僕は、


…足手まといで終わるのは…‥


嫌だ‥っ









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