僕等は野良猫
大切なキミ
玖音side
「っ」
比奈の身体が
徐々に
大きく揺れる
さっき音が
父さんの首に
噛みついたが‥
あまり効果はないようだ
「…比奈」
俺はグイッと
比奈を引っ張った
「っ!!?何しやがるっ!!!」
「…落ち着け」
俺がそう言うと
比奈が鋭い瞳で
睨んできた
「今やらねぇとっ‥、逃げられたらどうすんだっ!!!」
比奈はそう言うと
父さんを睨んだ
比奈の気持ちは
分かるが、
この状況では有り得ない
「…逃げない。あの人は…、この状況では逃げない」