僕等は野良猫
「比奈」
僕は
睨んでいる
比奈の名を呼ぶ
「……なんだ」
「…庵の…‥側にいてあげて」
僕の言葉に
比奈は
更に睨んできた
「……お前が側にいればいいだろ‥」
そう言った比奈に
僕は微笑む
「僕は、ここに居ない存在だから」
僕はそう言うと
フと、
自分の脚に
視線を向けた
……ない…
僕の脚は…‥、
消えていた
「浬音‥」
「…おい‥っ‥。早く身体、動けるようにしろっ!!!」
庵の僕の名を
呼ぶ声と、
比奈の叫び声だけが
部屋に響いた