僕等は野良猫



比奈side





俺は何かを忘れた



だけど何だったのか


思い出せないし


こう思っている事すら‥


忘れかけている



「…庵。行くぞ」


「あぁ‥」



横たわる


真っ黒な猫を見ている


庵を呼んだ



見たくなくて…


悲しそうな、寂しそうな‥


そんな顔をしている


コイツを見たくなかったから……



誰かに、


託されたんだ


『庵の側に居て』って‥



確かに、


誰か居たんだ



コイツを想っていた『誰か』が






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