僕等は野良猫




玖音side






リオンと病院に


向かう中、


俺はある事に気がついた



礼を言っていなかった‥‥



そう思ったと同時に


『誰に?』という


疑問だけが残った



考えても思い出せない



俺はリオンの手を


強く握る



キミが生きているなら‥


それでいい



だけど………


何かが無いんだ‥



「っ‥」



不意に溢れる涙に


俺は驚いた



『大丈夫ですよ。助けますからっ』



そう言う人に


頷きながらも‥


この涙が、


リオンに対するモノではない事を


俺は知っている…‥





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