僕等は野良猫
「…随分と増えましたね」
「まぁ…全国各地に、いるからなぁ。今のところ、黒猫が一番デカい族やな」
「そうですね」
艶は書くのをやめ
小さな紙袋を
柏に差し出した
「なんや、これ?」
「開けてみてください」
「んー?」
柏はガサガサと
紙袋を開けた
「……ケーキ?」
「えぇ。ビターチョコケーキです」
「新作かぁ?」
「はい」
「‥」
柏はケーキを
袋から出し
首を傾げながら
みていた
「疑問に満ちた顔ですね。今日は元々、柏のところに行こうと考えていたんです」
「ケーキの為にか?」
「えぇ」
艶はそう言うと
立ち上がった