夏の空


「あぁ,悪ぃ……行こっか」


「うん……」


優衣さんに会ってから,明らかに様子がおかしい


ってかこーゆうときって,昔付き合ってましたか,好きだとかそーゆうことしかない








ずっと握っててくれた手も今わポケットへ


私の方なんか見向きもせずにただ歩く







「かあくん……そろそろ帰ろっか」


前をスタスタと歩くかあくんの背中に呼びかけた


「え?なんで?」


歩いてた足をとめ,振り返った







「今日わこのまま一緒にいてもきっとつまんないよ」


思いのままを伝えた




「なんでそぅなこと言うんだよ」


「だって優衣さんに会ってからおかしいよ」


「優衣わ………関係ない」


顔を強張らせ,下を向いた




「明らかに様子おかしいよ!」


「………別に普通だし」


「優衣さんとなにがあったかわ聞かないけど……とりあえず今日わ帰る」




くるりと向きを変え,かあくんに背中を向け歩き出した






「ちょっ!待てよ!」


行こうとする私の右手を掴んだ


「もう離してよ!」


「なに怒ってんだよ!!」


「もぅいいから!」












「優衣わもぅ関係ないから!!」



かあくんの言った一言で頭が真っ白になった




「………って……に…よ……」


「え?」


「もう関係ないってなによ!?やっぱり昔好きだったんでしょ!?」


私を掴まえる力が弱くなり,下を向く


「昔………付き合ってた」





「やっぱりね。そうだと思った」


「けど今わただの友達だから!」


「昔付き合ってたとかそれに怒ってんやないよ!」


「じゃあなんだよ!?」






「わかんないの!?優衣さんと会ってから,かあくん私と一度も目合わせてくれない!」





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