夏の空
「かあくん……っ」
振り返るとそこにわ愛しい人の姿
「ハア…ハア………っ」
かあくんわ走ってきたみたいで肩をゆらし,息をきらしている
そんなかあくんに走り寄る
「…………なんでいるの!?」
「隼人から…電話あった」
「……っ!!」
「聞いたんだろ?俺と優衣のこと」
「うん……」
ゆっくり抱き寄せた
「俺わ……お前が1番好きなんだよ」
「かあくん?」
かあくんわ私を力いっぱい抱きしめた
そして発する声わかすかに震えている
このとき思ったんだ
もう無理だって
「1番好きってなに?」
「え?」
「誰と私を比べてるの?」
「そういう意味やなくて!」
かあくんの胸を押して,ゆっくり離れた
「今までありがとね」
涙をこらえ,精一杯の笑顔でかあくんに向けた
「……ちょっ「もぅなにも言わないで。………帰るね」
そう行って背を向け歩き始めようとしたら,再び手を掴まれた
「話,聞けって!!」
「話なら隼人先輩から聞いたよ。かあくん私わかっちゃったよ。まだ優衣さん好きなんでしょ?」
「なに言ってんだよ!」
「かあくん……素直になって?私の好きな人だもん。見てればなに考えてるかわかるよ!」
「……俺……」
「私なら大丈夫だから!」
「ごめん……ほんとごめん………」
「やっと認めた!それでいいんだから。よし!帰ろっか」
家わすぐそこなのに,かあくんわ私の少し後ろを歩いて送ってくれる
これが最後の優しさになると思ったら胸が苦しかった
「翔子……」
「なあにー?」
かあくんが前を歩く私の背中に問い掛けた
「俺のこと好きだった?」