夏の空
「好き……じゃないよ」
「えっ?」
くるりとかあくんの方を向いた
「大好きだったつーの!!!笑」
「ごめん………ほんとにごめん!!」
かあくんわ私に駆け寄り,思いっきり私を抱きしめた
そして私の顔に涙が落ちた
「もう謝らんでよー!気まずく別れたくないし!ほらほら!顔あげて♪」
かあくんの頬を掴み,ぎゅーと持ち上げた
「よし!ここでお別れ!」
「家まで送るよ!!」
「大丈夫だってー!家すぐそこだし(笑)…………私の最後のお願いくらい聞いて」
「………じゃあね,かあくん」
「あぁ……」
私の体をゆっくり離し,お互い別の方向へ歩き出した
玄関に着き,かあくんの方を見た
前わニコニコしながら手を振ってくれたのに
もう追いかけてきてくれることわないんだ
「翔子」って呼ぶ声も
離れないように握ってくれた手も
あのぬくもりも
全部終わったんだ
さっきまで1番近くにいたのに
もう背中しか見れない
恋の終わりがこんなにも辛く苦しいものだと知った
16の夏の終わりだった
「ほんとに………別れたんだ」
その場にしゃがみこむ
「やっと泣ける………う……ヒック……」
堪えてたものが一気に溢れ出した
ほんとわ行ってほしくない
今すぐ会いたい
抱きしめて名前を呼んでほしい
もうそんな願いも叶うこともない