眠りの聲(こえ)―宗久シリーズ小咄2―
今の自分には重く、困難な問題ならば、後回しにしてもいい。
捨てさえしなければ、後回しにしてもいいんだ。
成長して、力を付けて、再び向き合えばいい。
それだけの時間はある。
困難が降りかかる時間と同じく、解決する時間もある。
それが、生きていくという事なのだから。
「逃げてばかりいると、いつまでたっても変わらない。周りも、自分も。問題を解決する力が身につかないからだ。何をしていいのか分からないなら、出来る事から少しづつ始めればいい。今の自分に出来る事をね」
「私に……出来る事……」
「ああ、そうだよ」
僕も、そうして今を生きているのだ。
夢は、儚い。
いつかは覚める。
でも、現実で見る夢ならば、自分の力で得た夢ならば、覚める事は無い。
「八坂は、過去よりも未来に多くのものを持っているんだよ。名前の通りに、美しい幸せを持っているのだから…………何も、怖くはないよ」
八坂の瞳から、雫が頬を流れ落ちた。
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捨てさえしなければ、後回しにしてもいいんだ。
成長して、力を付けて、再び向き合えばいい。
それだけの時間はある。
困難が降りかかる時間と同じく、解決する時間もある。
それが、生きていくという事なのだから。
「逃げてばかりいると、いつまでたっても変わらない。周りも、自分も。問題を解決する力が身につかないからだ。何をしていいのか分からないなら、出来る事から少しづつ始めればいい。今の自分に出来る事をね」
「私に……出来る事……」
「ああ、そうだよ」
僕も、そうして今を生きているのだ。
夢は、儚い。
いつかは覚める。
でも、現実で見る夢ならば、自分の力で得た夢ならば、覚める事は無い。
「八坂は、過去よりも未来に多くのものを持っているんだよ。名前の通りに、美しい幸せを持っているのだから…………何も、怖くはないよ」
八坂の瞳から、雫が頬を流れ落ちた。
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