眠りの聲(こえ)―宗久シリーズ小咄2―
そんなに悪い事をしたのかな?



怒り所は、人それぞれだが。







それよりも、僕はどうすればいいのだろう。





追い掛けて、また怒られるか?


それとも、妻の機嫌がなおるまで、散歩にでも出ていようか?








「…………」





僕は、後者を選んだ。




今夜は、いい月夜だ。




言い訳にするには、いい夜だろう。







空腹を紛らわす為に、紙袋からチョコを一箱取り出す。





佐藤先生からのものだ。



これ以上の詮索を避ける為に、隠滅を図ろう。











チョコをコートのポケットに忍ばせ、僕は玄関を出た。









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