土曜日の図書館
* * * * *


「まずは名前を教えてくれる?」


そう言ったのは星来だ。


「はい。大島凛(オオシマリン)です。」

「小澤颯(コザワハヤテ)です。」

「凛…と颯さんでいいですか?」

「私は別に構いません。」

「あー俺も好きに呼んでくださって構わないです。」

「あの…一番気になってること、最初に訊いてもいい?凛。」

「はい。」


どうやら星来は彼女の方が話しやすいらしい。
…って当たり前か。


「どうしてあたしたちのこと知ってるの?」

「それは…私達が未来から来たからです。」

「未来!?」

「時空の歪みは生まれていない。」


口を挟んだのは紫紀だ。


「どうやって来た?」

「時間を越える魔法の本に触れたんです。」


ぷっ…と吹き出しそうになるのを堪える。
クソ真面目な顔でこの子が言うから説得力が増す。
俺がここで笑ったら台無しだ。

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