土曜日の図書館
「蒼刃が言わないとボクが脚色して蒼刃の自己紹介しちゃうよ~?」

「やめろチビ!」

「じゃあ自己紹介どうぞ!」

「…宝来蒼刃(ホウライソウハ)。能力はソード。以上。」

「うわー…最悪だこれ。」

「まったく蒼刃はいっつもこれだもんなぁ…。」

「成長しないな、いつまで経っても。」

「紫紀にだけは言われたくねぇ!」

「あーもう!喧嘩しないでっ!
…ってごめんね、なんか最後が蒼刃で感じ悪かったでしょ?でもいつもこんな感じだから。」

「いえ…皆さん、本当に仲がいいんですね。」


彼女はにっこりと笑ってそう言った。
…初めて笑顔を見たせいで不覚にもドキッとする。


「色々大変だったから…ね。」

「その辺はお察しします。」


彼女は静かにそう言った。
こういう間の上手さが高校生らしくない。


「あの…少しお訊ねしても構いませんか?」

「もちろん!答えられるかは質問によるけど。」

「ここ、アクアマリンじゃありませんよね。
…一体どこなのでしょうか?」


それは俺も思っていたことだった。
アクアマリンなら王宮があるはずだし、こんなに田舎めいてもいないはずだ。
だとすればここは…。


「ここはライブリサタリィという地方都市です。」


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