土曜日の図書館
「とりあえず目の前の問題を解決してみてどうなるかというのは検証してみる必要があるかと思います。」

「…大島さんの言うことはもっとも…なんだけどさ。
俺としては一つ、気になるわけ。」

「何がですか?」

「危ない目に遭うかもしれないんだよ?」

「小澤さんの身は出来る限り守ります。」

「…じゃなくてさ。」


俺は苦笑した。
こんなに華奢で小柄な女の子に『守る』なんて言われたらなんだか情けなくなる。
もちろん戦える能力もないんだけど。


「大島さん、女の子だし。怪我とかさせたくないじゃん。」

「戦力になると言われた今、そんな些細なことは気になりません。
怪我は昔からよくしてましたし。」

「…だから、そうじゃないって。」

「?」


きょとんとした顔で俺を見つめる彼女。
…頭はいいはずなんだけど、どうしてか俺の意向を汲み取ってはくれない。


「怪我だけじゃ済まないかもしれないだろ?炎竜の炎、ちゃんと見た?」

「もちろん。」

「死ぬかもしれない。当たればだけど。」

「当たりません。」

「…心配なんだよ。」


思わず漏れた言葉。
でも嘘はない。

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